大きな月と共に…。
朝方走らせる車の窓から見えた、とても大きくてオレンジ色の月。
それは何かを物語っているようで。
最後のお別れを伝えているようで…。
あれから眠りについたけど、
途中気持ち悪くて何度も目が覚めた。
寝て起きての繰り返し。
朝方2:00頃お腹が痛み出す。
うずくまり、いつの間にか寝てを繰り返し
4:00頃限界で目が覚めた。
吐きそう。
どう足掻いても辛くて、うずくまった。
気を失ってしまいそうな程やった。
すると、突然お腹がグルグルグルとなって何かが出てく感じがした。
破水
羊水が流れ出し、慌てて布団から飛び起きてベッドの横に立った。
ドバドバ流れ出す羊水。
全然止まらんかった。
とにかくヤバいと思ってパニックになってしまって、彼を呼んだ。
"ヤバい!破水した!"
すぐ起きてきてくれて、パニック状態のわたしをギュッとしてくれた。
"とりあえずお風呂行きな"
その言葉のままお風呂に駆け込んだ。
シャワーを浴びてる間もどんどん羊水が流れてきた。
彼がとても冷静な対応で、
汚れた床もちゃんと掃除してくれて、
病院にも電話して手配取ってくれた。
とても感謝しとる。
止まらん羊水、腹痛に出血。
車を飛ばしてかかりつけの病院へ向かった。
明け方5:00くらいやった。
その道中、とっても大きな大きな、
初めて見るようなオレンジ色の明るい月が2人の目に留まった。
どこかゾッとするような。
そんな感覚やった。
今思うとあれはベビたんがお別れを告げてたんかな、と思う。
けど、車の中じゃまさかそんなことも予想してなかった。
いや、思いたくなかっただけなんかも知れん。
病院へ着くや否や看護師さんに車椅子を押され検査へ。
そこで言い渡された言葉は、
"赤ちゃんの呼吸が確認できない"
…。