全く訳が分からんかった。
頭が真っ白。
検査から戻って、
先生から彼にも伝えられた。
"今回は残念でした"
先生の言葉で気が付いた。
"あぁ。ベビたん亡くなっちゃったんや"
ポロポロ零れる涙。
感情は悲しいとかそんなんやなくて、
とにかく無やった。
ただただ流れる涙。
何も考える暇もなく、処置だけが進んだ。
抗生剤の点滴を刺され、
無理矢理陣痛を起こす薬が投与された。
彼はわたしの入院道具を取りに家に一旦帰った。
おうちで仮眠してたら夢の中で号泣してたんやって。後からきいた。
ただただ時間だけが過ぎてった。
全てが終わってしまった
そんな感覚やった。
気持ちもない、感情もない、
ただただボーっと。
何も覚えてない。
陣痛が来るまでベッドの上で、
まるで自分がこの世からどこか遠くへ飛ばされたかのように、
ただ茫然と時を過ごした。
15:00頃
お腹が痛み出す。
あまりもの痛さに気を失ってしまいそうやった。
痛んだり、治まったりの繰り返し。
そして16:00前
痛みはピークに。
彼がナースコールで看護師を呼んでくれ、
そのまま分娩室へ運ばれた。
とにかく痛かった。
麻酔なくメスを入れられる感じ。
あまりもの痛さに涙が止まらんかった。
看護師さんのやさしい言葉だけが支えやった。
力んで力んで、
これでもかってくらい踏ん張って。
"早く終わってほしい"
そう願った。
格闘すること30分。
お腹の中からあの時と同じ感覚。
ドバドバドバと全てが出ていく感じが分かった。
それと同時に、
わたしの中からベビたんがいなくなってしまった寂しさが溢れた。
とうとういなくなってしまった…。